葉っぱのフレディご存知ですか?

葉っぱのフレディご存知ですか?

2014年11月01日[樹海


みなさん、「葉っぱのフレディ」という絵本を
ご存知でしょうか?


春に生まれ、夏を楽しみ、
秋は彩りに目を輝かせ
冬には命を終える。
葉の短い一生を描いた物語。

紅葉にひっかけて思い出した本。
よもや、こんなに考えさせられるなんて…。

秋にフレディたちが紅葉するシーンでは
みんなそれぞれが異なった色になり、
鮮やかに木を彩る場面では
「そうそう、カロチノイド、アントシアンが出てくるんだよね」
と、教わった知識をひそかに思い出し、ニヤリ。笑

全部お話したいくらいなのですが、
かなりの長文になってしまうので
印象に残った後半部分をかいつまんで紹介します。


春・夏・秋と楽しい毎日を送っていた
フレディは秋が終わり冬が来れば
自分たちは枝から離れ、死んでいくことを知ります。

フレディは
友達で一番賢いダニエルにこう問います。

「ぼくたちは、春になったら
またここへ戻ってこれるかな?」

ダニエルは答えます。

「僕たちはだめかもしれない。
でも、いのちはまた戻ってくるだろう。」

フレディは続けてこう問います。

「じゃあ、なんのためにこんなことが起こっているの?
  僕たちはけっきょく、落ち葉になって死んでいくだけだとしたら、
じゃあいったい、なんのために、この世に生まれてきたのだろう。」





ダニエルはそれにこう答えます。

「太陽や月だって、生まれてきても
いつかは消えていかなくっちゃ、ならないんだ。
幸せな時間も木陰やお年寄りや子供たちだって、そうなんだ。
秋のあの鮮やかな色どりだって、そうなんだ。
春、夏、秋、冬の季節だってそうなんだ。
どれもこれも昔からぜんぶ、ずっとそうなんだ。
さあ、これだけいうと、もうわかっただろう。」

 
ダニエルは先に枝から離れていきました。
最後まで穏やかにほほえんでいるように見えました。

フレディは枝に残った最後の1枚になります。
フレディが枝を離れる時に
自分が生まれ育った大きな木を初めて見ます。
強くてじょうぶな木を見て、
「この木ならうんと長生きしてくれるぞ。」
フレディは自分がこの木の一部だったことを
誇らしく思いました。

雪の上に降りたフレディは静かに目を閉じ
永遠の眠りにつきました。



子供のころは気にもせず、さらっと
読んでいましたが、今読み返すと
なんと深い物語なのでしょう。

フレディたちは
人間の、私たちの命には
一体、何の意味があるのか。
を問いかけているように感じます。

いつか、自分が枝を離れて落ち葉になる時には
フレディのように
誇らしく思える人生にしたいですね。


食欲の秋も魅力的ですが、
たまには読書の秋もいかがです?

ではではー。