サクヤヒメは結婚後、一夜にして
子供を授かります。

めでたいことではありますが、
結婚してすぐに出来た子を
ニニギは疑ってしまいます。
「本当に自分の子なのか？
別の誰かの子ではないのか？」

そんな夫の疑いを晴らすために
サクヤヒメはある事を決意します。

それは

火中出産

「ニニギの子であればどんな事があっても
必ず無事に生まれてくるはず。」
とサクヤヒメは言い、
出産する際に、産屋の入口を塞ぎ
そのまま産屋に火をつけて
出産しました。

 
 
神様といえど、火の中で出産とは
ただ事ではありません。
火の中ですよ！？
しかし、サクヤヒメは身の潔白を証明するために
火中出産をします。
子を持つ女性は強い！




こうして、生まれてきた子は
全部で3人。

無事に生まれたということで
みんな、ニニギの子であると証明できましたね。
サクヤヒメはただ美しいだけでなく
度胸がある女性だったのでしょう。

3人は生まれる時の
火の勢いにちなんで名前がつけられました。



長男は火が照り輝くときに生まれたので
ホデリノミコト

次男は火の勢いが一番強かったときに生まれたので
ホスセリノミコト

三男は火がだんだんと弱まったときに生まれたので
ホオリノミコト

と名づけられました。

後に、長男と三男は
海幸彦・山幸彦と呼ばれ
海と山の神として日本神話でも
語り継ぐられています。

次男は特に何かした、という記述がなく
一説では海と山という対極にある神の
間にバランスをとる意味合いで
次男がいるのではないかとも言われています。

サクヤヒメが次男だけ、自分の近くに置き
世話をさせたとも言われています。

このサクヤヒメの息子たちが生まれたときには
祖父にあたるオオヤマツミノカミが
天舐酒（アマノタムケザケ）

今の甘酒を造ったと言われています。
孫のためのお酒。粋なおじいちゃんです。笑

サクヤヒメは酒の神でもある
オオヤマツミノカミの娘であることから
酒の神の子
サカトケコノカミ（酒解子神）
ともいわれ、
また、火中出産で無事に子を生んだことから
安産の神、子宝の神としても有名です。

また、富士山本宮浅間神社の社伝では、
水の神として富士山の噴火を鎮めるために
祀られていると書き記してあるようです。

たくさん、管理しなきゃいけないものが多くて
神様も大変だったのですね。

サクヤヒメの話は一応、ここまで。
今度はサクヤヒメの息子たちの話をしたいと思います。

ではでは、またー。