サクヤヒメとニニギの息子たちは
大きく育ち、やがて
長男のホデリノミコトは
海で漁をしながら暮らしていて
海幸彦
と呼ばれていました。


三男のホオリノミコトは
山で狩りをして暮らしていて
山幸彦
と呼ばれていました。



ある日、弟の山幸彦が
「兄さんの釣竿と自分の弓矢を取替えっこしてみよう！」
と海幸彦に提案します。

それぞれの道具を交換し、
海幸彦は山へ
山幸彦は海へ
向かいました。

しかし、お互いに何も獲れませんでした。
海幸彦は、
「道具の交換はやめよう。釣竿を返してくれ。」
と、弟に言いました。

山幸彦は、とても焦りました。
兄に返したくても、肝心の釣り針を
失くしてしまっていたのです。

山幸彦はなんとか兄に償うために
自分の大切な剣を使い
代わりになる釣り針をたくさん作って渡しますが、
兄は「元の針でなければ、ダメだ。」
と、許してくれません。



 
何をやっても許してもらえない山幸彦は
困り果てて、海岸でひとり泣きながら佇んでいました。

すると、ひとりの老人が山幸彦に声をかけました。
「どうしたんだい？」

山幸彦は訳を話しました。
老人はシオツチノカミという神様でした。
シオツチノカミは話を聞くと
竹で編んだ籠を作り、
「この舟に乗って海へ行きなさい。
そのまま流されれば、いい潮に乗れるでしょう。
流れ着いた先で海の神様が力になってくれるでしょう。」




 
山幸彦は言われたとおり、舟に乗り
海へ向かいました。



長男がしっかり者で
末っ子はちゃっかり者な印象が
とても強い話だと思います。

神様は意外にうっかりしていて
釣り針なくしちゃうわ、許してもらえなくて
泣いちゃうわで、人間と同じようなことしていますね。


果たして、
山幸彦は兄と仲直りできるのでしょうか？
（^o^）/
ではでは、次回ー。